サーフボード研究所

【2023年】サーフィンの本場カリフォルニアで人気のあるロングボードTOP10

更新日:2023年2月20日

カリフォルニアで人気のあるロングボードTOP10

サーフボードを製造するブランドは日本国内、海外を問わず星の数ほどあります。

数あるブランドの中には他ブランドの人気ボードを真似ているものや、実際には現地で評価されていないにもかかわらず、さも“新たな天才”とでもいうように日本国内でのみ宣伝されているものもあります。

そのすべてを知ることは不可能ですが、サーフィンの本場カリフォルニアで本当に評価されているブランドを知ることによって、価値あるサーフボードを手にすることができます。
そこで今回は、世界的に評価されるシェーパーと代表的なモデルを紹介します。




紹介するボードを並べた画像

カリフォルニアで評価されるロングボードの基準とは

日本とカリフォルニアではサーフボードに対しての考え方が大きく異なります。

日本のサーフィンカルチャーはハワイの影響を色濃く受けているため、実際には波質が大きく違うにもかかわらず、長さに関係なくサーフボードにはボードの縦方向の動きを重視したハイパフォーマンス性が求められてきました。 つまりすべてのサーフボードはショートボードのように動かすことを目的に長年にわたって作り続けられてきたのです。

対してカリフォルニアでは、コンテストが主体のスポーツサーフィンとそれ以外のサーフィンは完全に別々のカルチャーとして考えられています。

一般的にサーフィン(サーファー)とはスポーツサーフィン以外のサーフィンを指します。その意味は、ストレスの多い現代社会に背を向け、古き良き時代のノスタルジーを体現するために当時のサーフボードを楽しもうという考えです。
これは古いハーレーダビッドソンやアメ車に乗ったり、古いギターに惹かれるのと同じです。
彼らは新素材やハイテクによる進化をサーフボードに求めてはいません。
むしろ少々使い勝手が悪いながらも、できるだけ昔の風合いに近いものを好むのです。
そのような考えがベースにあるため、こだわるシェーパー達は1967年以前の形状を基にサーフボードを作るのです。
当時のままに、または当時に遡って改良を加える、しかもそれは当時存在したアイデアのみを使って行われるのです。(古いハーレーダビッドソンを修理するときに、新しい部品を使用せず、昔のものを探すのと同じ考えです)

そのようなこだわりを追求したシェーパーのみが本場カリフォルニアでは評価の対象となります。つまり、こだわりが強ければ強いほど、コアなマニアたちに好まれるのです。ユーザーの要望を受け入れて一見古いボードに見えながら、当時以降に考え出されたアイデアを注入したサーフボードを造るシェーパーは評価されないのです。

いわゆる1980年代から2000年代初頭に多く作られた「モダンロングボード」は、すでにカリフォルニアでは死語になっており、第一線で活躍するシェーパー達は皆、リアルクラシックを標榜しているのです。

モダンロングボードとクラシックロングボードを比較した画像

世界的に評価されるロングボーダー、シェーパーたち

カリフォルニアを代表する人気のロングボードTOP10

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
                                                  
ブランド クリーム BMT エルモア アンヒンジド ダノー サーファビリー ガトヘロイ クリーム エルモア アンヒンジド
ファットキャット BMT ステップデッキ ペトピッグ ホッグ ジャレッドメル ガトヘロイ カリフォルニアン サムズクラブ NEWノーズライダー
モデル ファットキャット パーソナルログ by アレックスノスト ステップデッキ by トロイエルモア ペトピッグ by デーンピーターソン ホッグ by ダノー ジャレッドメル by ジャレッドメル ガトヘロイ by ロビンキーガル カリフォルニアン by ロビンキーガル サムズクラブ by トロイエルモア NEWノーズライダー by デーンピーターソン
ボードのタイプ オールマイティ ハイパフォーマンスログ オールマイティステップデッキ パフォーマンスピッグ 重量級クラシックピッグ パフォーマンスピッグ ネオクラシック オールマイティステップデッキ ピッグ パフォーマンスノーズライダー
ボトム形状 ベリーロール フラット~ロール わずかなロール ノーズコンケーブ~ロール フラット ノーズコンケーブ~フラット エクストリーム ベリーロール ノーズコンケーブ~ややロール ノーズコンケーブ~ロール
レール形状 50/50テーパー 50/50ソフト 50/50ソフト アップレール 50/50 アップレール エクストリーム 50/50テーパー 50/50ソフト ややアップレール
ロッカー ほぼフラット 控えめ 控えめ 控えめ テールキック 抑えめ~テールキック エクストリーム ほぼフラット ゆるやか 控えめ
重量 8.5~10.0㎏ 7.0~8.5㎏ 8.0~9.5㎏ 7.5~9.5㎏ 10.0~13.0㎏ 8.0~9.5㎏ 8.0~9.5㎏ 8.5~10.0㎏ 8.0~9.0㎏ 8.0~10.0㎏
価格 ¥314,000~ ¥330,000~ ¥320,000~ ¥368,000~ ¥320,000~ ¥320,000~ ¥300,000~ ¥314,000~ ¥325,000~ ¥368,000~
公式サイト

【JPSA公認プロサーファーでありロングボードショップ「シーコング」のスタッフでもある中山祐樹からひと言!】

中山

今まで大会で良い成績を求めていたので、操作性能が良くノーズライディングがしやすいモダンノーズライダーを使用してテイクオフ後すぐにセットアップしてからのハングテンを狙うようなサーフィンをしていましたが、毎回同じようなサーフィンになりがちで飽きを感じ始めた頃、YOUTUBE等で世界のロングボードシーンの映像を観たり、実際に現地ではそのようなタイプのロングボードに乗っているサーファーが皆無であることに気が付きました。

世界のロングボードシーンはサイドフィンを使用したショートボード的なパフォーマンスボードや2000年前後に主流であったノーズライディング一辺倒のサーフスタイルとは大きく違っていて、ノーズ幅よりもテールの幅が広いピッグ形状と言われるボードをみんな使っており、真っすぐボトムまで下りてからの深いボトムターン、波の掘れた際どいポジションでかけるノーズライディングからの思いっきり派手なカットバック等、シングルフィン=ノーズライディングではなかったのです。

私自身はそれに加えて、ジャレッドメルがやるようなトリッキーな技も組み入れることが好きで、以前よりもっとロングボードのライディングの楽しさ、可能性を伝えたいと意識しています。

「以前はコンテストではデューイウェーバーの「プレイナー」モデルを使用していましたが、現在は、サーファビリーの「ジャレッドメル」モデル、BMTの「パーソナルログ」、そしてアンヒンジドの「NEWノーズライダー」をその日のコンディションにあわせて使用しています。フリーサーフィンではさらに自由でハイスピードなライディングができるガトヘロイに乗ることが多いですね」

  JPSA公認プロサーファー 中山 祐樹
画像

◇プロフィール
ノーズライディングだけに囚われない、世界最先端のロングボードマニューバーを得意とする。また、ロングだけでなくミッドレングス、フィッシュなども乗りこなすマルチプレイヤー。
◇大会成績
・NSA全日本選手権優勝
・NSAグランドチャンピオンシップ優勝
・NSAシングルフィンオールスターズ優勝
・ISA世界選手権日本代表3度出場
・2022年JPSA年間ランキング11位
◇スポンサー DEUS EX MACHINA
◇活動拠点  千葉(太東、一宮)

ボード以外に、これも必要!これを持っておくと便利!

必需品
便利グッズ

スタッフ

ロングボード専門ショップにて20年以上の販売歴を持ち、本場カリフォルニアのみならず世界のロングボード情勢に大変詳しく、海外の著名なサーファーたちとネットワークを築いている。
また数々のロングボード専門誌にサーフトリップやサーフカルチャーについての記事を寄稿し、日本のシングルフィンロングボードカルチャーを牽引している。
サーフボード購入者が後に後悔しないように、予算、要望を細かく聞き、最適なボードをすすめることをモットーにし多くのユーザーの信頼を得ている。

解説:シーコング