【2023年】年間ロングボード販売数300本を超えるシーコングのスタッフが「絶対に失敗しないロングボードの選び方」をこっそりと教えます!
更新日:2023年2月20日
一口にロングボードと言ってもその形状やサイズはマチマチです。またサーファーの技術レベルや経験、体格、よく行く海のコンディションもそれぞれ違います。
そのような状況の中、自分にぴったりのロングボードを選び出すことはとても難しく、ほとんどの方が販売店のスタッフの匠な言葉に押し切られたり、ネットや雑誌の偏った情報に頼ったり、果ては身近な先輩の知り合いを紹介されてその言いなりになったりしたことがあるはずです。
また「最初は適当な安いボードを買って、上手くなったらいいボードを買おう」と思っている方も多いのですが、ことサーフィンに限っては初心者のハードルが高いため、まずは乗りやすいボードにたくさん乗らなければ、上手くなるどころか練習すらままなりません。つまり最初のボードこそ、その性能に頼るのが一番です。
そこでここでは「実際にご購入される方のほとんどはご紹介」というロングボード専門店シーコングのスタッフが”絶対に失敗しないロングボードの選び方”について解説します。
INDEX
なぜロングボードを選ぶのか?
(形状的な理由)
一般的にサーフィンのイメージというのは大きな波でカットバックしたり、チューブライディングといったところでしょうが、これらはプロサーファーたちが海外の大きなパーフェクトな波に乗って撮影されたものです。
そのイメージを持って近くの海にサーフィンに行ったらあまりのギャップにショックを受けることでしょう。
また少々波があってもプロサーファーのように波に乗れるわけではありません。
そもそもサーフィンというのは波に乗ることです。波の上に立って海面を滑ることはとても気持ちいいのです。
ボードの上に立っているだけで、波の上を滑ることができるのは、ショートボードやファンボードにはないロングボードだけの特徴です。
それを楽しむためにはサーフボードは大きいに越したことがないのです。サーフボード自体が浮力と推進力を持てば、その上に立って波に乗ることはとても簡単なのです。
この日本では残念ながら海外の有名ポイントのように完璧な波があるわけではありません。また波があってもいつでも海に行けるわけでもありません。
そのような環境の中で、これからサーフィンを始めるのなら、まずはロングボードで波に乗ることで一番サーフィンライフを楽しむことができるようになるのです。
「波に乗る」ことを楽しむなら、ロングボードをおいて他にありません!
(文化的背景)
サーフィンの本場カリフォルニアでは、サーフィンとはスピーディでストレスの多い現代社会よりも、のんびりとした古き良き時代を楽しむというのがベースの考えです。
古いものは現代の最先端の物よりも性能が劣ることは間違いありませんが、海に行った時だけはハイテクや新素材の世界から遠ざかりたいと考えているのです。
長くて重いシングルフィンロングボードに乗るということはそういった楽しみが含まれているのです。
失敗するロングボードの選び方
ロングボードを買った後、「失敗した」と思う方は少なくありません。その理由を聞くと共通している言葉がたくさん出てきます。
「ロングボードだからテイクオフが速いと思っていた」、「軽いからよく動くと思っていた」、などが最も多い理由です。また「やっぱりロングは重くて動かないな」という感想もよく耳にします。
それは多くの方がロングボードに乗りたいと思っているにもかかわらず、実際に頭で描くサーフィンのイメージがショートボードだからです。
ロングボードもショートボードみたいに動かしたい。すべてのサーフボードはショートボードみたいに・・・と思っているのです。
アメ車のトラックを買った人でもイタリア製のスポーツカーとスピードを比べることはないと思います。古いアメ車と最新のレクサスを比較することもないはずです。それにもかかわらずサーフボードに関して言えばロングボードとショートボードを比較、または同じように乗ろうとするのです。
そのイメージが根底にある限り、どんなロングボードに乗っても満足することはあり得ません。
そこで「買って失敗した」と思う方の、特に勘違いな思い込みを下記にまとめてみました。
•ロングボードに動きを求めすぎる(ロングボードは動きにくいと思っている)
•軽いロングボードがいいと思っている
•9フィート以上のスポンジ製ボードもロングボードの一種だと思っている
•ロングボードはおじさんの乗り物だと思っている
【ロングボードに動きを求めることが間違っているという理由】
ショートボードはそれ自体に浮力と推進力がないので、レールを使って海面をしごくことによって浮力とスピードを得てパフォーマンスします。
対してロングボードはボードの上に立っているだけで浮力と推進力を感じられます。サーファーはボードが波の最適な部分をキープするように、スピードや位置をコントロールすることを目的としています。
つまりショートボードとロングボードは形状から生まれる特徴によって同じサーフィンでもまったく乗り方、楽しみ方が違うのです。
そのことさえ知っていれば、サーフボードを買った後に、「失敗した」とは思わずに済むわけです。
【ロングボードは軽いほうがいいと思っていることが間違っている理由】
そもそもどんなに軽くて薄いロングボードでもショートボードのようには動きません。(比べること自体がナンセンスです)
ロングボードは体重よりも大きな浮力を持っているので、軽すぎるとボードが浮きすぎてしまい、海面状況や風の影響を受けやすく、しかも惰性が付かないのでボードが安定して進みません。ロングボードの特徴のテイクオフにもウォーキングにも向いていません。
【9ft以上あれば、スポンジ製のボードもロングボードと同じだということが間違っている理由】
スポンジ製のボードはサーフボードの造り、形状、材質があまりに違うため、比較することはできません。子供用のプラスティック製のおもちゃのピアノと本物のグランドピアノくらいの差があります。
【ロングボードはおじさんのものと思っていることが間違っている理由】
ロングボードの本場カリフォルニアでは、サーフィンはまずコンテストを目的としたスポーツサーフィンとそれ以外のサーフィンに分けられます。
ショートボードは毎朝、毎夕練習して週末は大会という”クラブ活動”的なスポーツです。
対して、人と競ったりするよりも、海に行って友達とハングアウトしたい、古き良き時代にレイドバックして、ビーチに行った時くらいは最先端、ハイクォリティによるストレスフルな社会から逃れたい、と言った人たちが道具として選ぶのがロングボードです。
だからおじさん達というよりもむしろ、学校や仕事をさぼった、ちょっと生意気でおしゃれな10代が、格好をつける道具としてロングボードを選びます。
彼らの着る洋服、奏でる音楽、アートが「サーフカルチャー」として世界に発信されるのです。
つまりカリフォルニアでロングボーダーを牽引しているのは10代、20代のサーファーなのです。
ロングボードの形状の違いについて
それぞれのサーフボードは、長さ、幅、アウトライン(全体の形)、ロッカー(ボードの反り)、レール形状、フィンの数、ボトムの形状、フィンによって性質や性能が変わってきます。
ここでは簡単に、初心者におすすめのそれぞれの形状を解説したいと思います。
★長さは体重を基本に選びましょう!ロングボードとは長いものを楽しむことです。長いからこそロングボード特有のグライドやトリムを楽しむことができるのです。
体重 | 長さ |
---|---|
~50㎏ | 9'0~9'4ft |
50~65㎏ | 9'2~9'6ft |
60~70㎏ | 9'4~9'8ft |
70~80㎏ | 9'6~9'10ft |
80㎏~ | 9'8~10'0ft |
★幅は体重に関係なく23インチ(58.4㎝)以上を選びましょう。幅が広いほうがパドリング時に横揺れせず、テイクオフが簡単になります。
★アウトラインは、できるだけノーズからテールまで幅が広いものを選びましょう。その方が簡単に波を捕まえることができます。
★ロッカーは、できるだけ抑えめのものを選びましょう。ロッカーが強いとパドリングをしてもボードが前に進みません。
★レール形状は、角がなく丸みを帯びているもので、適度に厚いものを選びましょう。その方が浮力があり、ライディング時に引っかかることなくスムーズに乗れます。
★フィンの数は1本のシングルフィンを選びましょう。フィンが3本ついているボードはショートボードの考え方に基づくもので、浮力と安定感が損なわれ、ロングボードの楽しみを味わうことができません。
★重量は、最低でも7.0㎏以上をおすすめします。軽すぎるとサーフボードが加速せず、ライディング時に不安定になります。
これを買えば後悔しない、おすすめのロングボード5選
※中古ボードという選択もあります。
ブランド | シーコングオリジナル | クリーム | デューイウェーバー | ハーバー | 中古ボード |
---|---|---|---|---|---|
モデル | ティップ | ファットキャット | スタイリスト | プランティン | - |
ボトム形状 | フラット | ベリーロール | フラット | フラット | - |
フィンの数 | シングル | シングル | シングル | シングル | シングル |
レール形状 | 50/50 | 50/50テーパー | 60/40ソフトレール | 50/50ソフトレール | - |
ロッカー | 抑えめ | ほぼフラット | ノーズロッカー~フラット | イーブン弱め | - |
重量 | 7.0~8.0㎏ | 8.5~10.0㎏ | 8.5~10.0㎏ | 8.5~10.0㎏ | - |
価格 | ¥109,000~ | ¥314,000~ | ¥325,000~ | ¥303,000~ | ¥50,000~ |
公式サイト |
◇プロフィール
ノーズライディングだけに囚われない、世界最先端のロングボードマニューバーを得意とする。また、ロングだけでなくミッドレングス、フィッシュなども乗りこなすマルチプレイヤー。
◇大会成績
・NSA全日本選手権優勝
・NSAグランドチャンピオンシップ優勝
・NSAシングルフィンオールスターズ優勝
・ISA世界選手権日本代表3度出場
・2022年JPSA年間ランキング11位
◇スポンサー DEUS EX MACHINA
◇活動拠点 千葉(太東、一宮)
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ロングボード専門ショップにて20年以上の販売歴を持ち、本場カリフォルニアのみならず世界のロングボード情勢に大変詳しく、海外の著名なサーファーたちとネットワークを築いている。
また数々のロングボード専門誌にサーフトリップやサーフカルチャーについての記事を寄稿し、日本のシングルフィンロングボードカルチャーを牽引している。
サーフボード購入者が後に後悔しないように、予算、要望を細かく聞き、最適なボードをすすめることをモットーにし多くのユーザーの信頼を得ている。
解説:シーコング