サーフボード研究所

【2023年】年間ロングボード販売数3,000本を超えるロングボード専門店のスタッフが、ノーズライディングに最適なロングボードをおすすめします!

更新日:2023年2月20日

ノーズライディングに最適なロングボード

ロングボード、特にシングルフィンロングボードであっても、それらのすべてがノーズライディングに向いているわけではありません。
同じシングルフィンロングボードであっても、アウトライン、重量、ロッカー(ボードの反り)などによってノーズライディングがやりやすいボードとそうでないボードがあります。

ただしノーズライディングにこだわればこだわるほど、機能的にマイナス面も出てきますし、またどんなに優れたノーズライダーであっても、波のコンディション次第ではその真価を発揮できないときもあります。

まずは、どんなボードがノーズライディングに向いているかを知り、その次にそれぞれの特徴の違いを知れば、自分に最適なノーズライダーをゲットすることができるでしょう。

そこで今回は「ノーズライダーに向いているボード」とその「タイプ別特徴」、「おすすめのノーズライダーモデル」について解説します。




タイトルをイメージする画像

そもそもノーズライダーとは

基本的にサーフィンではライディング中に前足に重心をかけたり、ノーズ方向に歩くと、スピードが増します。逆に後ろ足に体重をかけたりテール方向に歩くとボードは失速します。
波の一番いいスポットでサーフィンをするとボードは加速して前に進み過ぎます。そうするとカットバックをしてまた波のパワースポットに戻らなければなりません。
ロッカーのないボードをコントロールするためにノーズからテールまでボードの長さ全体を移動する必要があった1960年代と違い、現在ではノーズライディングはそれ自体が目的化しています。

そのためにノーズライダーと言われるモデルは、ノーズに行ってもボードが速く進み過ぎないように、スピードを遅くするようにデザインされています。

つまりノーズに行ったときにちょうど波のスピードと同化するようになっているのです。

上記イメージの画像

ノーズライディングに向いているボードの特徴

アウトライン

ノーズライディングをするためにはサーフボードのレールがしっかりと波にホールドされなければなりません。

そのためにはアウトラインはできるだけスクエアに近く直線的なほうが波にホールドされる距離が長くなるのでノーズライディングに向いています。しかし、デメリットとして真四角に近くなればなるほど、ボードのコントロール性が失われます。

アウトラインと波の親和性がわかる画像

ロッカー

ボードのスピードの調整やターン性能を高めるためにサーフボードにはロッカーが必要です。
特にテールロッカーはスケートボードのようなコントロール性を得られるばかりではなく、波がテールを下方向にプッシュすることによってノーズをリフトアップする効果があります。これらは1990年代以降に生み出されたモダンノーズライダーの特徴です。そのために1960年代当時のサーフボードデザインをベースにする現在のロングボードシーンではあまり見変えられなくなったデザインです。

テールロッカーがわかる画像

ノーズコンケーブ

ノーズに向かって歩くと、サーフボードは加速します。クラシックの時代はボードを加速させるポジショニングのためのテクニックとしてノーズに行っていました。
対してノーズに行くことを目的としたモダンノーズライダーはスピードが出過ぎて波のポケットから前に出過ぎてしまい、カットバックをしなくてもいいように、コンケーブを利用してボードにブレーキをかけ、ノーズでのティップタイム(滞留時間)が長くなるように考えられています。

ノーズコンケーブの画像

重量

重いボードは推進力があるのでボードは常にスピードにのった状態にあり、ノーズライディングに必要な安定感をもたらせます。
ボードに重量を持たせるために、素材のフォーム自体を重くしたり、ラミネートするクロスの重量を重くしたりする方法があります。

重量がわかりやすい画像

【プロサーファーからのアドバイス!】

中山

より良いノーズライディングをするにはボードの性能が8割といわれています。
ノーズライディングに向いているボードといえば、ノーズ幅が広くテールキックがあるボードが一般的です。
ノーズ幅が広いとノーズの浮力が多くなりノーズまで歩きやすくなります。テールキックはテールに水がのった時にテールを抑え込む反動でノーズを浮かせてくれる役割があります。
フリーサーフィンではノーズライディングにこだわらないボードに乗ることが多いのですが、ノーズライディングのコンテストに出場するときには、やはりノーズに特化したボードの方が圧倒的に優れていると感じます。

  JPSA公認プロサーファー 中山 祐樹
画像

◇プロフィール
ノーズライディングだけに囚われない、世界最先端のロングボードマニューバーを得意とする。また、ロングだけでなくミッドレングス、フィッシュなども乗りこなすマルチプレイヤー。
◇大会成績
・NSA全日本選手権優勝
・NSAグランドチャンピオンシップ優勝
・NSAシングルフィンオールスターズ優勝
・ISA世界選手権日本代表3度出場
・2022年JPSA年間ランキング11位
◇スポンサー DEUS EX MACHINA
◇活動拠点  千葉(太東、一宮)

ノーズライディングに向いているおすすめロングボード10選

                                                  
ブランド ダノー エルモア クリーム デューイウェーバー ダノー エルモア アンヒンジド BMT サーファビリー ハーバー
ノーズグライダー ステップデッキ カリフォルニアン プレイナー ロスクリーパー ホットドッグ NEWノーズライダー パーソナルログ ジャレッドメル チーター60
モデル ノーズグライダー ステップデッキ カリフォルニアン プレイナー ロスクリーパー ホットドッグ NEWノーズライダー パーソナルログ ジャレッドメル チーター60
ボードのタイプ 重量級クラシック ステップデッキ ステップデッキ モダン ステップデッキ モダンクラシック モダンクラシック ピッグ ピッグ ステップデッキ
ボトム形状 ノーズコンケーブ~テールキック わずかなロール ベリーロール ノーズコンケーブ~テールキック フラット ノーズコンケーブ ノーズコンケーブ~ロール フラット~ロール ノーズコンケーブ~フラット フラット
レール形状 50/50 50/50ソフト 50/50テーパー 60/40 50/50 50/50ソフト ややアップレール 50/50ソフト アップレール ベースボール
ロッカー 強め 控えめ 控えめ フラットノーズ~テールキック 強め 控えめ 控えめ 控えめ 抑えめ~テールキック フラット~エッグシェープ
重量 10.0~13.0㎏ 8.0~9.5㎏ 8.5~10.0㎏ 8.0~9.5㎏ 9.5~12.5㎏ 8.0~9.5㎏ 8.0~10.0㎏ 7.0~8.5㎏ 7.5~9.5㎏ 8.0~9.0㎏
価格 ¥330,000~ ¥320,000~ ¥314,000~ ¥330,000~ ¥320,000~ ¥310,000~ ¥368,000~ ¥330,000~ ¥320,000~ ¥310,000~
公式サイト

【スタッフから裏話】

スタッフ

ジョエルチューダーから始まったモダンノーズライディングのシーンは、ノーズライディングに執着しすぎるあまり、徐々に重量を増し、長くなり、動きが遅く、コントロール性の損なわれた鈍重なボードとなっていきました。
そのような風潮に風穴を開けたのがアレックスノストとロビンキーガルです。 彼らは2003年頃から「モダンノーズライダーはノーズにフォーカスするあまりサーフィンの楽しさを失わせている。ロングボードはもっと自由で楽しい」、さらに「そもそも他のサーファーと競うことすら本来のサーフィンの楽しみとかけ離れている。本来サーフィンは自由に楽しむもの。だからコンテストでいい成績を収めるという目的のために作られたモダンノーズライダーは、1960年代のロングボードのアイデアとはかけ離れていて評価されるべきものではない」と言い切ったため、2010年頃より以降は、カリフォルニア、オーストラリアの市場からはほとんど見かけられなくなりました。 という経緯があったため、一口にノーズライダーと言っても、クラシックタイプとモダンタイプの2つに分かれているのです。つまり、あらゆる技術を取り込んで性能第一主義の車(モダンノーズライダー)に乗るか、少々性能が劣っても味わい深くノスタルジーを感じるリラックスした車(クラシックノーズライダー)の2種類があるのです。

ボード以外に、これも必要!これを持っておくと便利!

必需品
便利グッズ

スタッフ

ロングボード専門ショップにて20年以上の販売歴を持ち、本場カリフォルニアのみならず世界のロングボード情勢に大変詳しく、海外の著名なサーファーたちとネットワークを築いている。
また数々のロングボード専門誌にサーフトリップやサーフカルチャーについての記事を寄稿し、日本のシングルフィンロングボードカルチャーを牽引している。
サーフボード購入者が後に後悔しないように、予算、要望を細かく聞き、最適なボードをすすめることをモットーにし多くのユーザーの信頼を得ている。

解説:シーコング